浮気された場合の財産分与はどうなるの? 慰謝料と財産分与の関係

相手の浮気が原因で慰謝料を請求する場合、財産分与はどのようになるのか気になる方は多いでしょう。不貞行為があったと証明できれば慰謝料請求は可能ですが、慰謝料請求の際に財産分与はどうなるのか気になっている方は多いはずです。

そこで、本記事では、浮気の慰謝料と財産分与の関係について詳しく説明します。

  1. 浮気されても財産分与には影響がないのか?
  2. 浮気された場合は慰謝料が請求できる
  3. 浮気の慰謝料と財産分与の関係は?
  4. 離婚で財産分与をする際の注意点
  5. 浮気と財産分与に関してよくある質問

この記事を読むことで、浮気された場合の慰謝料請求や離婚で財産分与する際の注意点などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.浮気されても財産分与には影響がないのか?

最初に、浮気と財産分与の関係をチェックしておきましょう。

1-1.相手方に財産の分与を請求することができる

財産分与と聞いて、どのような内容を思い浮かべるでしょうか? 民法768条によると、財産分与とは「競技上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」ことだと記載されています。結婚生活中に築き上げてきた夫婦の財産は、車・家・預貯金などさまざまです。夫のほうが妻よりもたくさん稼ぎ、名義も夫のものだとしても妻と協力して築き上げてきた者だとみなされます。つまり、夫が稼いだものでも妻は夫に財産分与を請求することができるというわけです。

1-2.財産分与はあくまで財産を清算すること

ここで押さえておきたいポイントは、あくまで財産分与は財産を清算することが目的だということです。浮気をした相手でも、夫婦の共同財産を清算する財産分与の請求権があります。浮気したからといって請求権がなくなることは基本的にあり得ません。浮気と財産分与の関係はないといってもいいでしょう。ただし、夫婦の間に合意があれば、慰謝料の支払いも含めて財産分与の配分を調整することは可能です。浮気された側にとっては、財産分与自体に不満が残ると思いますが、財産分与の意味をしっかりと理解しておくことが大切なポイントとなります。

1-3.財産分与の3つの性質

浮気と財産分与の関係で押さえておきたいのが、財産分与の3つの性質です。前述したとおり、財産分与は結婚生活を通じて築いた共同財産の清算という意味がありますが、ほかにも2つの性質があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 清算的財産分与:結婚生活を通じて築いた共同財産の清算
  • 扶養的財産分与:離婚後の配偶者の扶養が目的
  • 慰謝料的財産分与:配偶者に不義を働いたことに対する慰謝料

2.浮気された場合は慰謝料が請求できる

ここでは、浮気と慰謝料の関係について解説します。

2-1.精神的苦痛を慰謝するための損害賠償

まずは、慰謝料がどういうものなのかしっかりと把握しておかなければなりません。慰謝料について簡単に説明すると、精神的苦痛を慰謝するための損害賠償のことです。たとえば、相手の浮気によって離婚する場合、精神的苦痛に対して支払われることになります。ただし、離婚の際に必ず支払いが発生するものではありません。離婚に至る原因を作った相手に対して、精神的苦痛を受けたほうが慰謝料を請求することで発生します。

2-2.浮気によって慰謝料が請求できるケース

浮気が原因で慰謝料が請求できるケースは、主に2つあります。

  1. 浮気や暴力など離婚に至った原因行為から生じる精神的な苦痛に対するもの
  2. 離婚をすること自体から生ずる精神的苦痛に対するもの

上記のように、裁判上、浮気された側が精神的苦痛を受けたとみなされれば、浮気によって慰謝料が請求できます。たとえば、1のケースで慰謝料が認められる典型例は以下のとおりです。

  • 浮気・不倫(不貞行為)
  • 暴力・悪意の遺棄
  • 婚姻生活の維持への不協力
  • 性交渉の不存在

2-3.不貞行為があったかどうかがカギ

浮気による慰謝料の請求は、配偶者と浮気相手の間に不貞行為があったかどうかが大きなポイントとなります。不貞行為とは、夫婦・婚約・内縁関係にある男女のどちらが、配偶者以外の異性と自由意志で肉体関係を持つことです。法律上では、決定離婚事由として認められる離婚原因の1つとなっています。浮気によって慰謝料を請求する場合は、第三者が見ても「浮気している」と納得できる証拠を提示しなければ認めてもらえません。

3.浮気の慰謝料と財産分与の関係は?

では、浮気の慰謝料と財産分与はどのような関係なのでしょうか。

3-1.慰謝料とは別に財産分与を行うのが一般的

浮気による慰謝料と財産分与は、まったく別のものとして扱うケースがほとんどです。慰謝料は慰謝料として請求し、それとは別に財産分与を行うことになります。前述したように、浮気の慰謝料はあくまで受けた精神的損害として請求すること、財産分与は築き上げた財産を分けることが目的です。ただし、浮気や夫婦関係はケースバイケースなので、財産分与は財産分与として清算した後、財産分与の中から慰謝料を差し引くケースもあります。また、離婚の条件によっては、財産分与なしで離婚をすることも可能です。

3-2.財産分与の割合と慰謝料の取り扱いをチェックしよう!

基本的に、財産分与は夫婦で半分ずつということになりますが、財産分与の対象となる財産の分け方には以下の3つの方法があります。

  • 現物分割:預貯金などの現金・不動産・車・家具などをそのままの形でそれぞれ受け取る方法
  • 代償分割:不動産など分割できないものについて、どちらかが所有権を持つ代わりに、半額に相当する現金をもう一方に支払う方法
  • 換価分割:不動産・車・貴金属などを売却し、経費などを差し引いて現金化し2人で分ける方法

慰謝料を請求する場合、財産分与に含めて行われることがありますが、浮気された側は納得できないと思います。財産分与後に慰謝料を請求した場合、トラブルになることもあるため、財産分与の際に慰謝料を含めるのか含めいないのかきちんと決めることが大切です。

3-3.慰謝料的財産分与

最初に、財産分与の種類を3つ紹介しましたが、その中の1つ「慰謝料的財産分与」が財産分与と慰謝料の関係を大きく表しているといえます。不貞行為といった法的離婚原因があった場合、離婚時には慰謝料請求が可能です。本来は別々に金額を算定するのが一般的ですが、どちらもお金という意味では一緒なので慰謝料と財産分与といった細かい区別をせずに財産分与を行います。慰謝料分もまとめて財産分与として済ませてしまうことを、慰謝料的財産分与というのです。財産分与や慰謝料金額などについては、協議で話し合い決めることになるでしょう。

4.離婚で財産分与をする際の注意点

ここでは、離婚で財産分与をする際の注意点をいくつか紹介します。

4-1.慰謝料と財産分与の境があいまいにならないように

相手の浮気が原因で離婚する場合、慰謝料請求をするケースが多いのですが、慰謝料と財産分与の境があいまいにならないように注意しなければなりません。特に、協議離婚の場合は明確な区別がされず、双方に認識の違いが出てくる恐れがあります。話し合いをしてもなかなか決まらなかったり、認識の違いによってトラブルになったりすることもあるのです。後から慰謝料を請求しようと思っても、慰謝料的財産分与をしたのだといわれてしまえばトラブルにつながります。だからこそ、法律に詳しい専門家に介入してもらうことが重要なのです。

4-2.清算すべきお金・支払われるべきお金があるか

基本的に、慰謝料と財産分与はそれぞれで個別に請求することになりますが、重要になるのは生産すべきお金・支払われるお金があるかどうかです。離婚で財産分与をする場合、お金の有無が最も大きなカギとなります。離婚で財産分与をするといっても、夫婦で築き上げた財産がほとんどなければ財産分与のしようがありません。慰謝料請求に関しても、相手に支払えるだけの資金力がなければ回収のしようがないのです。逆に、相手の資金力が大きく、精神的苦痛も大きいものであれば多額の慰謝料が請求できることになります。差し押さえるだけの財産を相手が保有しているか、確認しておかなければなりません。

4-3.財産分与の対象外と分ける財産の金額

離婚で財産分与をする場合、財産分与の対象外となるもの、そして分ける財産の金額に注意が必要です。財産分与の対象となるものは夫婦共有の財産となりますが、特有財産と認められる財産は対象からはずすことができます。特有財産とは、夫婦が結婚してから保有する財産とは別に、結婚前からお互いが持っている財産のことです。たとえば、結婚前から夫が所有していた車は、購入したのは夫なので離婚時の財産分与からはずされることになります。また、財産分与の金額を決める際に、分ける財産の金額が変わるので注意が必要です。お金に関する話は夫婦で話し合い、お互いが納得した上で離婚するのがトラブル回避のコツとなります。

4-4.不貞行為があったとみなされる証拠が必要

浮気が原因で離婚し慰謝料を請求するためには、不貞行為があったとみなされる証拠を準備しておかなければなりません。第三者が見ても「不貞行為があった」と分かるような写真や動画がいいでしょう。ただ、自分で証拠を集めるのは至難の業です。悩んだときは、浮気調査などを行っている探偵社アヴァンスにご相談ください。探偵業者はプロの調査員が調査を行うため、相手にバレることなく決定的な証拠を集めることができます。探偵社アヴァンスでは無料相談も受付中です。

5.浮気と財産分与に関してよくある質問

浮気と財産分与に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.財産分与の大まかな流れは?
A.基本的に、財産分与は夫婦で協議を行い、財産分与の対象となる財産を確定させます。そして、何をどのように分けるのか取り決めを行うことになるでしょう。ただし、実際は、競技では決着がつかないケースが多いのです。そもそも、離婚協議ができないケースもあります。離婚協議が困難な場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになるでしょう。それでも話がまとまらない場合は、離婚訴訟へと進みます。

Q.浮気が原因で離婚する場合、慰謝料はいくらぐらいか?
A.ハッキリとした金額は決まっていません。慰謝料の金額を決める際は、離婚に至った原因行為の内容・結婚期間の長さ・相手方の資金力や収入など、さまざまな事情を総合的に考慮します。あくまで目安になりますが、慰謝料の相場は約100万~300万円でしょう。ただし、事案によっては50万円程度になることもあります。

Q.マイナス財産は財産分与の対象か?
A.ローンなどマイナス財産も財産であることに変わらないため、財産分与の対象となります。たとえば、不足した生活費を補うために借り入れた借金・家族で使うために購入した車のローン・家族で居住するために購入した住宅ローンなどです。収入や生活レベルと比較して明らかに高い個人的な買い物や、ギャンブルのための借金は財産分与の対象になりません。

Q.財産分与でトラブルを防ぐコツは?
A.財産分与の内容は離婚協議書で明確に記載することです。協議の中で取り決めた内容は、必ず書面に残してください。離婚協議書を作成し記録することは、離婚後に約束が守られずにトラブルとなることを防ぐ目的があります。法的効力がある離婚協議書を作るために、弁護士など専門家に依頼しましょう。

Q.探偵業者選びのポイントは?
A.スタッフや調査員が丁寧かつスピーディーな対応か・料金設定が明確になっているか・探偵業の許可番号がホームページ等に記載されているかなど、複数比較してください。さまざまな点を考慮し慎重に選ぶことが大切です。親身になって話を聞いてくれる業者なら、安心して依頼できるでしょう。

まとめ

相手の不貞行為によって受けた精神的損害として、配偶者に慰謝料を請求することができます。しかし、相手の浮気が離婚原因になったとしても財産分与は行わなければなりません。浮気された側にとっては納得いかないかもしれませんが、財産分与は拒むことができないのです。けれども、実際に財産分与は財産分与として生産し、後から慰謝料分を上乗せする請求も行われています。ケースバイケースによって、財産分与と慰謝料の関係が大きく異なるでしょう。自分で判断できない方は、探偵業者や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。