不倫の裁判を起こす方法とは? メリットデメリットはあるの?

不倫は配偶者に対する重大な裏切り行為です。
不倫が発覚した場合、配偶者だけでなく不倫相手にも慰謝料を請求することができます。
しかし、慰謝料の支払い等でもめた場合は裁判を起こすことも可能です。
そこで今回は不倫で裁判を起こす方法についてご紹介します。
不倫で裁判を起こす理由は、不貞行為の慰謝料の額が双方で折り合わないためということが多いですが、訴訟はどのように起こせばよいのでしょうか?
また、費用はどのくらいかかり、証拠の提出は必要なのでしょうか?
不倫で裁判を起こしたいと考えている人はぜひ読んでみてくださいね。

目次

  1. 不倫で裁判を起こせるケースとは?
  2. 訴訟を起こすメリットデメリットとは?
  3. 裁判を起こすまでの流れとは?

1.不倫で裁判を起こせるケースとは?

この項では、不倫で裁判を起こせるケースをご紹介します。
不倫はどのような形であれ、不倫したほうが悪いというわけではありません。中には配偶者のみが悪いという場合もあります。

1-1.訴訟を起こして慰謝料を請求できる不倫とは?

配偶者や不倫相手に訴訟を起こせる不倫とは、不倫相手が配偶者を既婚者と知っていて不倫をした場合です。
さらに、不倫の訴訟を起こす側が完全に不倫の証拠をつかんでいて言い逃れができず、なおかつ慰謝料を払える経済力がありながら慰謝料を払わない場合も訴訟を起こせます。
ただし、慰謝料の請求額が高額すぎる場合は訴訟を起こしても認められないことが多いので気をつけましょう

1-2.訴訟を起こせない場合とは?

  • 配偶者が既婚者であることを隠して不倫をした
  • 不倫相手が18歳未満だった
  • 金銭を介して異性と関係をもった

という場合は悪いのは配偶者のみで、不倫相手には慰謝料の請求はできません。
むしろ配偶者が児童福祉法違反や、詐欺罪などで訴えられる可能性があります。
特に18歳未満と関係をもった場合、それがたとえ両者の合意の上であっても罪になる可能性も高いです。
また、すでに夫婦関係が破たんし、別居生活が長いという場合も、不倫にはあたりませんので注意しましょう。

1-3.不倫で訴訟を起こす事例とは?

不倫で訴訟を起こす場合は、慰謝料の話し合いが難航した結果という事例がほとんどです。
不倫をした場合は配偶者だけでなく、不倫相手にも慰謝料の請求ができます。
話し合いで決着がつけばよいのですが、相手が払う意志を見せなかったり金額に納得しなかった場合は裁判になるでしょう。
ただし、裁判になる場合は相手への慰謝料の請求が常識的な額だった場合です。
慰謝料に上限も加減もありませんが、あまりに高すぎる慰謝料は裁判を起こしても支払わせることはほとんどできません。

2.訴訟を起こすメリットデメリットとは?

では、裁判を起こした場合どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?この項ではそれをご紹介します。

2-1.裁判をするメリットとは?

裁判をすれば、法的に「慰謝料を払わなければならない」と認められることです。
こうなると、不倫相手が慰謝料を払わない場合は財産を差し押さえることが可能です。
また、不倫相手が雲隠れした場合は、裁判を起こすことで不倫相手と話し合いの場を設けることができます。
なお、裁判所から呼び出しがあったにもかかわらず不倫相手が出頭しない場合は自動的に敗訴になります。

2-2.裁判をするデメリットとは?

裁判を起こすためには必要な書類をそろえて裁判所に提出しなければなりません。
個人でそろえることも可能ですが非常に複雑かつ面倒ですので、弁護士の手を借りたほうが良いでしょう。
また、裁判費用のほかに弁護士への謝礼も払わなければなりません。
裁判が長引くほど経済的な負担が増えるでしょう。
さらに、裁判を起こすと配偶者が不倫をしたという事実が広く知られてしまいます。
当然仕事にも影響が出るでしょう。さらに不倫相手に裁判を起こすと配偶者との間に埋められない溝ができる可能性も高いです。
再び夫婦の絆を結びなおしたい、という場合裁判を起こすのはデメリットの方が多いかもしれません。

3.裁判を起こすまでの流れとは?

では最後に、裁判を起こすまでの流れをご紹介します。
これを読んでいただければ訴訟を起こすのは最終手段、ということがわかっていただけるでしょう。

3-1.不倫の証拠をつかむ

配偶者が浮気をしている場合は、不倫の証拠をつかむことが大切です。
メールや通話記録、LINEなどのSNS上のやりとりも証拠になりますが、もっとも有効的な証拠はファッションホテルにふたりが出入りしている写真です。
これは、法的な不倫の定義が「肉体関係があったか否か」のみだからです。
ですからたとえホテルの中で何もなかったとしても、宿泊施設のみのホテルに一緒に入った時点で「肉体関係あり」と判断されてしまうのです。ただし、たとえ肉体関係がなくても長期にわたり不倫相手と一緒の時間を過ごしていたり、「愛している」などのメールを送り続けた場合は「これだけ親密ならば肉体関係もあるだろう」と判断されます。
なお、証拠は自分でつかむこともできますが、より確実に不倫の証拠をつかみたい場合は、探偵業者に依頼をするとよいでしょう。

3-2.話し合いの場を設ける

不倫相手に慰謝料を請求する場合は、まずは話し合いの場を設けることが大切です。
内容証明の相手の自宅に送ると、証拠が残りますからおすすめですよ。
不倫相手と会いたくないという場合は弁護士などの代理人にお願いをしたり、電話で話し合いをすることも可能です。
ここで話がまとまれば、裁判を起こす必要はありません。ただし、相手が悪質で雲隠れをしたり、慰謝料の請求を突っぱねたり、いやがらせを起こす場合は裁判を起こさなくては慰謝料をとることは難しいでしょう。

3-3.書類をそろえて訴訟を起こす

訴訟を起こす場合は、弁護士に依頼をして必要な書類をそろえてもらいます。
その上で裁判所に提出をして、裁判の日が決まるのを待ちましょう。
裁判を起こす側を原告と言いますが、原告が望めば裁判所に行かなくても大丈夫です。
ただし、不倫相手と直接会いたいという場合は裁判所にいきましょう。
慰謝料の裁判の多くは「和解勧告」といって双方の言い分を聞いた裁判官が「では、このくらいで双方納得してはいかがですか?」と提案をします。
これにお互いが納得すれば和解という形で裁判は集結します。
しかし、双方が納得しない場合は裁判所に慰謝料の額を決定してもらいます。
判決が下った場合は、被告は原告に命令された慰謝料を支払う義務が生じます。
不倫の裁判は比較的短時間で判決が出る場合が多いですが、双方納得がいかない場合は1年近く裁判が続く場合もあります。
当然経済的な負担もかかりますし、心理的な重圧も大きいです。
相手を許せないという気持ちはわかりますが、適度な落としどころをつけることも大切です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は不倫の裁判を起こす方法やメリット、デメリットをご紹介しました。
まとめると

  • 不倫の裁判を起こすのは、不倫相手が慰謝料を払わない場合の最終手段である
  • メリットだけでなく、デメリットもある
  • 経済的にも心理的にも負担が大きいので、弁護士に依頼し十分準備をかけて臨むことが大切

ということです。裁判を起こすということは、日本ではまだまだハードルが高いです。
不倫相手を許せないという気持ちはわかりますが、裁判を起こすなら冷静さを失わないようにしましょう。
また、他の落としどころがないか考えることも大切です。