家庭内別居中の不倫は罪になる!? 慰謝料請求のボーダーラインとは

別居中の不倫普通の夫婦はどちらかが不倫すれば慰謝料を請求できますが、家庭内別居中の夫婦となるとどうなのでしょうか。

家庭内別居しているということはその夫婦の関係はもう冷え切っているのでしょう。
とはいえ戸籍上ではまだ夫婦関係にある二人。
どちらかが不倫した場合、慰謝料を請求できるのでしょうか。
今回は、家庭内別居中の不倫についてご紹介したいと思います。
不倫は罪になるのか、慰謝料を請求できるのか、ぜひこの記事を参考にして解決の糸口を見つけてもらいたいものです。

目次

1.家庭内別居とはどのような状態か
2.家庭内別居中の不倫は罪になるのか
3.慰謝料が取れるかどうかの判断基準について
4.まとめ

1.家庭内別居とはどのような状態か

家庭内別居中の不倫について考える前に、まず家庭内別居がどのような状態のことを言うのか考えてみましょう。
夫か妻のどちらか一方だけが「家庭内別居中」と思い込んでいるだけの可能性もあります。
そうなると不倫した場合の話し合いの仕方も大きく変わってくることになるでしょう。

家庭内別居は新しい夫婦のかたち

我が国の離婚件数が年々減少している理由のひとつに「家庭内別居する夫婦が増えた」ことがあります。
家庭内別居は別名「家庭内離婚」とも呼ばれ、お互いに心は離れ夫婦としては破たんしているのに、離婚せずに同居を続けている夫婦のことです。
結婚して数年経てば「考え方が違う」「性格が合わない」という理由で相手のことを嫌になってしまう夫婦もいるでしょう。
お互いにそう思ってしまうようになると、これまでのように仲の良い夫婦関係を続けることは困難になります。
しかし離婚には大変なエネルギーが必要になるため、離婚を選択することもできずにズルズルと家庭内別居状態を続けてしまうことになるのです。
お互いに口をきかない、食事も洗濯も寝室も別々…という状態が家庭内別居であり、このような状態が長期間に渡ると離婚が認められてしまうことになる場合もあります。
実際に弁護士の元に離婚相談にくる夫婦のうち、2割以上が家庭内別居を選択しているようです。
さまざまな理由で「離婚したいけれどできない夫婦たち」が、新しい夫婦のかたちとして家庭内別居を始めることになるのでしょう。

子供のことを考えた家庭内別居

では、離婚ではなく家庭内別居を選ぶ理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
最も多いのが「子供のことを考えて」というものです。
夫婦関係は冷め切っていて離婚しても構わないと思っているけれど、子供にとっては両親がそろっている方がいいし、離婚して父親や母親と離ればなれにするのがかわいそうなので、家庭内別居で踏みとどまっている夫婦はたくさんいます。
その他にも家庭内別居を選択する理由には以下のようなものがあるのだそうです。

  • お互い顔も見たくないけれど、経済的なことを考えて離婚はしたくない
  • 離婚となると世間体が気になる
  • もしかしたらまた元の夫婦に戻れるかもしれないので離婚には踏み切れない

「同居人」として割り切るのが秘訣

家庭内別居は正式に離婚するまでの準備期間であると同時に、夫婦関係を冷静に見直す期間でもあります。
実際に家庭内別居によって相手に対する気持ちが変わり、元の関係に戻れた夫婦も珍しくありません。
急いで結論を出す必要がないなら、家庭内別居をしばらく続けてみるのもよいでしょう。
家庭内別居を続けるためには、相手を「同居人」として割り切り、冷静な態度で過ごすことが大切です。

2.家庭内別居中の不倫は罪になるのか

では、家庭内別居中にどちらか一方が不倫した場合、それは罪になるのでしょうか。
慰謝料請求は可能なのかについて説明したいと思います。
まず、離婚していなくても完全に別居している夫婦の場合、どちらかが不倫しても罪に問われることはありません。
なぜなら別居は「婚姻が破たんしていること」を意味しているとみなされるためです。
つまり別居している夫婦に貞操義務はなく、どちらかがそれを破ったところで罪にはならないということなのでしょう。
しかし、家庭内別居となると話は別になります。
住居が同じなので「別居」とみなすには困難であり、状況によっては「婚姻が破たんしている」と判断されません。
その場合の不倫は罪になります。
ただし家庭内別居中の不倫に関しては判断が難しく「婚姻の破たん」が認められるかどうかで罪になるかが決まることになるのだそうです。
例えば「家庭内別居中に夫からの生活扶助がない」「夫の分の食事を妻が用意しない」など、生活のための協力がないとみなされれば、婚姻の破たんが認められて慰謝料を請求できなくなります。
「お互い気持ちは冷め切っていたものの、生活は夫婦として協力していた」という場合は慰謝料請求が認められるケースもありますので、そのあたりの見極めが非常に大切になるのです。

3.慰謝料が取れるかどうかの判断基準について

家庭内別居中にどちらか一方が不倫した場合、慰謝料を請求できるケースはあまり多くありません。
慰謝料が取れるかどうかの判断基準はどうなっているのでしょうか。

生活の扶助が全くなければ慰謝料は取れない

民法によると夫婦には「同居し扶助しなければならない」という本質義務があります。
つまり、同居した上でお互いに協力し扶助をおこなうことが夫婦には必要であり、これを怠るということは「婚姻の破たんであること」が証明されてしまうのです。
婚姻の破たんが認められる夫婦のどちらかが不倫したとしても、もともと破たんしていた夫婦間で起きたことなので慰謝料は請求できません。
ただし中には関係を修復するために家庭内別居状態を続けている夫婦もいますので、それが認められる場合は慰謝料の請求が可能になります。
その場合は「元の夫婦に戻りたくて家庭内別居をしていたのに、相手が不倫してしまった」という事実が認められなければなりません。

家庭内別居前からの不倫であると証明できれば慰謝料は取れる

「家庭内別居を開始する以前から不倫していた」という証拠があれば、慰謝料を請求できます。
例え「家庭内別居を始めてから夫(妻)の不倫に気づいた」という場合でも、そうなる前から不倫していた証拠を集めることさえできれば、慰謝料を取れる可能性はあるのです。
家庭内別居中に相手の不倫の証拠を集めるのは簡単なことではありませんが、これは慰謝料請求のための重要なポイントになるでしょう。
通常の浮気調査以上に慎重な証拠集めが必要になりますので、探偵事務所などに依頼して確実な証拠を見つけてください。
いくら「家庭内別居前から不倫していた」と主張しても証拠がなければ何の意味もありません。
慰謝料を請求できるかどうかで今後の生活は大きく変わってきますので、あきらめずに証拠探しに力を入れてください。

4.まとめ

家庭内別居中の不倫についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 家庭内別居とはどのような状態か
  • 家庭内別居中の不倫は罪になるのか
  • 慰謝料が取れるかどうかの判断基準について

家庭内別居中の夫や妻の不倫についてお悩みなら、ぜひこの記事を参考にして慰謝料請求について考えてみてください。