事実婚でも浮気されたら慰謝料は請求できるのか? 必要な証拠は?

「事実婚でも相手に浮気されたら慰謝料は請求できるのか?」とお悩みではありませんか? 昨今、さまざまな事情から婚姻届けを出さずに夫婦同然の暮らしを送っているカップルが増えてきています。そして、事実婚であっても婚姻関係にある夫婦同様、浮気の悩みはつきものです。

この記事では、事実婚で浮気された場合の慰謝料請求について詳しくご紹介しましょう。

  1. 事実婚とはどういう状態なのか?
  2. ​事実婚で浮気された場合の慰謝料請求について
  3. 慰謝料請求に必要な証拠は?
  4. ​慰謝料請求に必要な証拠を集める方法
  5. 慰謝料請求までの流れを紹介
  6. 事実婚での浮気に関するよくある質問

この記事を読むことで、事実婚の浮気で慰謝料請求が認められるケースや、慰謝料請求のためにやるべきことなどが分かるはずです。

1.事実婚とはどういう状態なのか?

まずは、事実婚とはどのような状態のことをいい、証明するためにはどうすればよいのかを解説しましょう。

1-1.事実婚に明確な定義はない

事実婚とは婚姻届を出していない夫婦の形をいいますが、その定義に明確なものはないのが実情です。婚姻届を提出している「法律婚」とは区別され、「内縁関係」という言葉で表されることもあります。基本的に事実婚の2人は共同生活を送っていますが、単なる「同棲」とは異なる扱いをされるのが一般的です。

1-2.法律婚と同様に扱われることが多い

事実婚だと夫婦の戸籍が異なるため、お互いの名字は違います。しかし、そのほかの部分では法律婚と同様に扱われるケースが多いのです。たとえば、協力義務や扶助義務などの義務が法律婚と同じルールで発生することもあれば、どちらか片方が亡くなったときは遺族年金も受給できます。

1-3.事実婚を証明するための条件3つ

事実婚であることが認められるためには、3つの条件を満たしている必要があります。

  • 2人が共同生活を送っていること
  • お互いに婚姻の意思を有していること
  • 社会的に夫婦として認識されていること

2.事実婚で浮気された場合の慰謝料請求について

事実婚で浮気された場合、慰謝料を請求できるケースとできないケースについてご紹介しましょう。

2-1.法律婚より難しいが請求はできる

結論からいうと、事実婚であっても相手の浮気に対する慰謝料請求は可能です。事実婚は法律上、法律婚に準ずるものとして扱われます。民法第770条の「配偶者に不貞な行為があったとき」という法律婚の法定離婚事由が、事実婚解消事由にも適用されると考えられるでしょう。
ただし、慰謝料の請求は法律婚の場合に比べて難しくなります。法律婚の場合は、配偶者と不倫相手の間に肉体関係があったことを証明できれば慰謝料の請求が可能です。事実婚の場合は、さらに、自分とパートナーとの間に前記1-3の条件を満たした内縁関係が成立しているという事実を証明しなければなりません。

2-2.慰謝料請求できない場合もある

以下のように、事実婚であることを証明するのが難しい場合は、慰謝料を請求できないケースもあります。

  • 一緒に暮らしていない
  • 生計が完全に別々になっている
  • 双方、またはどちらか一方に婚姻の意思がない
  • 周囲に夫婦として認められていない

3.慰謝料請求に必要な証拠は?

事実婚で浮気の慰謝料を請求する際、必要な証拠には以下のようなものがあります。

3-1.事実婚であることの証拠

まずは、自分とパートナーが事実婚の関係であることを示す証拠が必要です。たとえば、「未届けの夫(妻)」と記載された住民票や、第3号被保険者となっている健康保険証などが事実婚の証拠になります。そのほかにも、家計簿や通帳のコピーなど家計を一緒にしていることが分かる証拠も有効です。また、家族や親族・友人の証言や、結婚式の写真などが事実婚の証拠になる場合もあるでしょう。

3-2.不貞に関する証拠

次に、浮気された証拠を集める必要があります。法律で不貞行為と認められるためには、肉体関係があったことを証明できなければなりません。2人がラブホテルに出入りしている写真や動画・不貞行為を認める音声データなどがあれば慰謝料を請求する上で有利になるでしょう。

3-3.浮気相手が事実婚のことを知っていたという証拠

浮気相手にも慰謝料を請求する場合、浮気相手が事実婚のことを知っていたという証拠が必要です。事実婚の関係にある相手がいることを知らずに関係を持っていた場合、浮気相手に慰謝料を請求するのは難しくなるでしょう。

4.慰謝料請求に必要な証拠を集める方法

慰謝料請求に必要な証拠を集めるには、以下のような方法があります。

4-1.自分で証拠を探す

浮気の証拠を自分で集める場合、方法はいくつかあります。GPS発信機や盗聴器などを使えば確実な証拠が手に入る可能性はあるでしょう。しかし、違法行為になるリスクもあるため、法律の十分な知識なく動くのは危険です。レシートやクレジットカードの明細・カーナビの履歴などをチェックし、パートナーの行動範囲やパターンを確認する程度にしておくことをおすすめします。

4-2.探偵社に依頼する

確実な証拠を集めたいなら、探偵社などのプロに調査を依頼するとよいでしょう。探偵社による浮気調査では、尾行や張り込みなどを行って証拠となる写真や映像を撮影します。裁判でも使える確実な証拠をつかむことができる可能性が高いのです。自分で証拠集めをすると途中で気づかれてしまう危険もありますが、探偵社に依頼すればそのような心配もありません。

5.慰謝料請求までの流れを紹介

事実婚での浮気に対して慰謝料を請求する際の流れをご紹介します。

5-1.話し合いによる交渉を行う

まずは、話し合いによる交渉を行います。直接会うのがつらい場合は、電話で交渉することも可能です。浮気相手に対していいたいことをいえるため、早期解決したい人にはおすすめの方法となっています。ただし、後から「いった、いわない」の争いになる可能性があるため、話し合った内容を文書にまとめておく必要があるでしょう。また、最初から弁護士に代理人を依頼する方法もあります。

5-2.内容証明郵便を用いる

相手が話し合いに応じない場合や、直接話し合いをしたくない場合は、内容証明郵便を用いて慰謝料を請求しましょう。書面でのやり取りになるので時間はかかりますが、万が一、後からトラブルになった際には有力な証拠になります。

5-3.裁判を起こす

口頭や書面での交渉がうまくいかなかった場合は、最終的に裁判を起こすことになるでしょう。強制的に慰謝料の支払い義務を負わせることが可能です。ただし、相手が浮気の事実を認めない場合は、不貞行為があったことを示す確実な証拠を提出する必要があります。また、金銭的・精神的負担が大きくなることも予想されるため、弁護士に代理人を依頼するケースが多いでしょう。

6.事実婚での浮気に関するよくある質問

「事実婚での浮気について知りたい」という人が感じるであろう疑問とその回答をまとめました。

Q.子どもがいれば事実婚を証明できますか?
A.男性側が認知している場合は、子どもの戸籍謄本を事実婚の証拠として利用することが可能です。

Q.  事実婚での浮気で発生する慰謝料の相場はどのくらいでしょうか?
A.ケースによりますが、100万~300万円前後が相場といわれています。

Q. 慰謝料の金額を決めるポイントになるものは何ですか?
A.同居の期間や子どもの有無・収入額・浮気の原因などがポイントになります。

Q.探偵に浮気調査を依頼した場合、費用はどのくらいでしょうか?
A.探偵社アヴァンスでは、1日お試しパックを52,000円(税別)で利用可能です。そのほかにも、4日パックや6日パックなど、お得なパック料金を設定しているのでこちらからチェックしてみてください。

Q.探偵業者選びのポイントは何ですか?
A.豊富な実績があるか・料金体系が明確か・探偵業の届け出をしているかなどをチェックして選ぶとよいでしょう。

まとめ

事実婚で浮気された場合の慰謝料請求について、詳しくご紹介しました。事実婚であることが証明できれば、パートナーの浮気に対して慰謝料を請求できます。ただし、法律婚に比べると難しい部分もあるため、詳しく知っておくとよいでしょう。ぜひこの記事を参考に、慰謝料請求をスムーズに行ってください。