横領が発覚したときの対応はどうすべき? 証拠を集める方法とポイント

従業員の横領は企業に対する裏切り行為であり、社会的な事件や問題に発展する恐れがあります。少しでも異変を感じたり、疑いを持ったりした際は、早めに対処する必要があるでしょう。しかし、どのように横領の証拠を集めればいいのか、発覚したときはどう対応すべきか分からない方は多いはずです。

そこで、本記事では、横領が発覚したときの対応などを解説します。

  1. そもそも横領とは?
  2. よくある横領のケース
  3. 横領が発覚したときの対応策
  4. 横領の証拠がない場合の対処法
  5. 横領の対応に関してよくある質問

この記事を読むことで、よくある横領のケースや横領の証拠がない場合の対処法も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.そもそも横領とは?

まずは、横領とはどのようなことを指すのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.他人または公共のものを自分のものにすること

横領を簡単に説明すると、他人または公共のものを不法に自分のものにすることです。主に、横領の種類は、単純横領罪・遺失物等横領罪・業務上横領罪の3つがあります。それぞれの特徴をしっかりとチェックしておきましょう。

  • 単純横領罪:委託を受けて占有する他人のものを横領する行為。5年以下の懲役が科せられる
  • 遺失物等横領罪:遺失物・漂流物、そのほかの占有を離れた他人のものを横領する行為。1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる
  • 業務上横領罪:業務請負として委託を受け、占有する他人のものを横領する行為。10年以下の懲役が科せられる

1-2.横領罪にも時効がある!?

横領罪にも時効があることをご存じでしょうか。具体的に説明すると、刑事上の公訴時効と民事上における損害賠償請求権の消滅時効があります。
公訴時効は犯罪が終わったときから一定の期間が経過すると、検察官が犯人を起訴できなくなる制度のことです。単純横領罪は5年、業務上横領罪は7年、遺失物等横領罪は3年が公訴時効となります。
そして、民事上における損害賠償請求権の消滅時効は、一定期間損害賠償請求を行使しないことで権利が消滅する制度です。横領に対する損害賠償請求権の消滅時効は、横領行為時から20年または被害者が横領行為を知ってから3年となります。

2.よくある横領のケース

ここでは、横領でよくあるケースをいくつか紹介します。

2-1.業務上横領罪でよくある従業員の着服

横領でよくあるのは、企業における業務上横領罪です。たとえば、経理業務で金銭の管理を任されていた従業員や、売上金の管理を担当していた店長が過少申告して差額を着服していたというケースがあります。○○企業の従業員が売上金を着服していたというニュースを耳にしたことがある方は多いはずです。業務上横領罪でのポイントは、従業員が企業の財産を着服していた点といえます。バイトスタッフや派遣社員がお金をとる行為は、業務上横領罪ではなく窃盗です。

2-2.落とし物を自分のものにする

道端に落ちている財布から金銭を盗み、自分のものにした場合もよくある横領です。この場合は、遺失物等横領罪にあたります。落とし物のように、他人の占有を離れた財物を無断で自分のものにする行為は、立派な罪になるので注意が必要です。道端に落ちていたからといって、他人の所有物が拾った人のものになるとは限りません。所有者から離れたとしても、その品物は所有者のものになります。

2-3.実際に起きた事件をチェック!

実際に、たくさんの横領事件が起きています。身近な事件といえば、岸運輸事件です。兵庫県伊丹市の運送会社で20年以上経理を担当していた女性社員が横領し、約3億円の行方が分からなくなりました。また、神奈川県川崎市で起きた事件も鮮明です。自動券売機の開発などを行っていた会社で、従業員が約15億円を横領しました。このように、巨額の業務上横領事件が起きており、その事件がきっかけで会社の運営が滞ってしまったり、倒産に追い込まれたりしています。

3.横領が発覚したときの対応策

ここでは、横領が発覚したときの対応策を解説します。

3-1.まずは横領の証拠を集める

横領が発覚したら、まずは、その証拠をできるだけ多く集めなければなりません。疑いの段階で相手を追及してしまうと、逆ギレされたり逆に訴えられたりする恐れがあります。スムーズに解決するためにも、事前に横領の証拠を集めておきましょう。なお、横領の証拠になるものとしては、以下のようなものがあります。

  • 伝票・領収書・帳簿・メモ帳など紙媒体の資料
  • スマホ・パソコン・監視カメラの映像・写真・動画などのデジタル機器やデータ

デジタル機器やデータを横領の証拠として提示する場合、改ざん・修正されていないことを証明しなければなりません。これを、証拠保全といいます。デジタルデータは簡単に内容を操作できる利便性があるからこそ、証拠保全はとても重要です。

3-2.早めに行動する

横領の疑いを持った瞬間から、早めに行動を起こさなければなりません。対応が遅れてしまうほど証拠がつかめなくなってしまったり、社員が隠匿・改ざんしたりする恐れがあるからです。また、対応の遅れは、被害拡大にもつながります。横領が発覚したら、現在進行形の事案かどうか素早く見極めましょう。ケースによっては、取引や決済をストップしたり、担当者を現場から外したりしなければなりません。対応の早さによって、事実関係の解明がしやすくなります。

3-3.関係者を適切に処分する

業務上横領罪の場合、事実関係を解明した後がとても重要なポイントになります。不祥事に関係した役職員や監督者に対して、適切な人事処分を検討しなければなりません。責任の所在を明らかにしなければ、社内の雰囲気が悪くなるほか、会社に対する信用度も低くなってしまいます。必ず、責任の所在を明確にした上で、関係者を適切に処分してください。正しい処分を下すことで社内の規律が維持できるほか、再発防止に努められます。

3-4.再発防止策を立てる

関係者に適切な処分を下した後は、再発防止策をきちんと立てましょう。そのためには、なぜ横領事件が起きたのか、その原因を明確にする必要があります。管理体制に問題があれば、改善のための策を立てて実行に移さなければなりません。きちんと調査を行い、その結果をもとに横領の原因を分析してください。そして、内部管理体制の見直し・具体的かつ実効的な対策を立てます。

3-5.証拠が不十分なまま解雇するのはNG

横領の疑いがあるからといって、証拠が不十分なまま社員を解雇するのはNG行為です。信用できない社員を働かせるのは不安と思いがちですが、不明確な段階で写真を疑い解雇したほうがリスクは大きくなります。詳しく調査をした結果、その社員には何の責任もなかったと分かった場合、取り返しのつかない状況になってしまうでしょう。解雇された社員側から「不当な対応だ」「合意なく解雇された」と訴えられる可能性があるので注意が必要です。

4.横領の証拠がない場合の対処法

ここでは、横領の証拠がない場合の対処法を解説します。

4-1.探偵事務所に調査を依頼する

自分たちで横領の証拠を集められない場合は、探偵事務所に調査を依頼するのも選択肢の1つです。探偵事務所が行っている人事・雇用調査(個人信用調査)では、社員の行動調査を行います。社員の立ちまわり先や接触人物を調べられるほか、経費などの資産横領・秘密事項や顧客情報の流出防止などにつながる調査です。素人では分からない内容まで調べることができますし、横領の証拠もスピーディーにつかめるでしょう。なるべく、調査実績のある探偵事務所に依頼することが大切です。

4-2.調査報告書は裁判でも活用できる

横領の証拠が手に入らなかったとしても、探偵事務所の調査によって得られる調査報告書は裁判で有効活用できます。調査報告書とは、その調査によって何が分かったのか、調査対象者がどのようなことをしていたのかなどが具体的にまとめられている書類です。より詳細に調べられた調査報告書であればあるほど、裁判等にもそれが横領の証拠として利用できます。ただし、探偵事務所の中には、表紙だけ立派で中身は薄っぺらい調査報告書を提示するところもあるので注意しなければなりません。調査報告書に明確な基準がないからこそ、きちんと調査してくれる探偵事務所を選ぶ必要があります。

4-3.調査費用は約8万円~

探偵事務所に依頼すると、調査費用が高くかかるのでは……と不安になっている方は多いでしょう。調査費用は調査期間や方法などによって異なりますが、約8万円~が目安です。調査対象者や内容によっては、数十万かかるケースもあります。決して、安くない費用だからこそ、しっかりと調査をしてくれる探偵事務所に依頼することが大切です。どの探偵事務所に依頼すべきか悩んだ際は、以下のポイントに注目するといいでしょう。

  • 調査実績があるか
  • スタッフや調査員の対応が丁寧でスピーディーか
  • 料金体系が明確になっているか
  • 無料相談や無料見積もりを受け付けているか
  • 口コミや評判がいいか
  • 探偵業の届け出をしているか

4-4.個人信用調査なら探偵社アヴァンスへ

千葉県千葉市を中心に探偵業を行っている探偵社アヴァンスは、追加費用一切なしの明確な料金体系となっています。見積もり時にご案内した料金以外の費用が発生するということは一切ありません。また、高い技術の特殊機材を活用し、確実に証拠を押さえます。1時間ごとに電話またはメールで現状報告も行っているため、リアルタイムで現場の状況を把握できるでしょう。横領でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

5.横領の対応に関してよくある質問

横領の対応に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.横領の証拠を集めるコツは?
A.事案に応じて証拠を集めることです。たとえば、経費を過大に請求し、その差額を着服された場合、その従業員から提出された領収書が重要な証拠になります。取引業者からキックバックを会社にも取引業者にも内緒で着服された場合は、取引先に対してアンケートをとるのもいいでしょう。また、同僚や関係者から聞き取りを行うのも方法の1つですが、その際は、人選や調査の順序に注意を払う必要があります。

Q.証拠集めを社内で行う際の注意点は?
A.疑いのある社員に気づかれないよう、大々的に調査するよりも範囲を絞って調査を行ったほうがいいでしょう。社員を1人ずつ呼び出して聞き取りを行うケースもありますが、社員全員が不安を抱いてしまい、犯人が逃げる恐れがあります。また、可能な限り、社内の人間には相談しないほうがいいでしょう。友人や同僚に相談すると、その人と横領した本人がつながっている可能性もあり、横領の証拠を隠匿されてしまいます。

Q.刑事告訴・刑事告発とは?
A.警察・検察に事件を捜査してもらい、犯人の処罰を求めることです。刑事告訴は被害者本人が処罰を求める場合、刑事告発は被害者以外の関係者が処罰を求める場合に使われます。典型的な例としては、社員が顧客から集めた現金を着服した場合、刑事告訴を行うパターンです。刑事告訴や刑事告白をすることで、犯人に処罰を科すことができます。

Q.業務上横領をした社員に対してできる責任追及とは?
A.企業からの責任追及としては、以下のような内容があります。

  • 懲戒解雇:就業規則に基づき、懲戒処分として従業員を解雇すること
  • 懲戒減給:就業規則に基づき、懲戒処分として従業員の給与を減少させること

なお、民事上の責任追及をする場合は、従業員に対して損害賠償が請求できます。

Q.注意したほうがいい探偵事務所の特徴は?
A.「証拠がとれなければ料金0円」「必ず証拠がつかめる」といった宣伝文句を掲げている探偵事務所には注意してください。素人より優れている探偵でも、調査内容や状況によっては証拠がつかめないこともあります。依頼したくなるような宣伝文句を前面に出してくる探偵事務所は、悪質な業者といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 横領が発覚したからといって、証拠が不十分なまま相手を追及してはいけません。まずは、横領の証拠を集め、本当に横領したのか、いくらぐらい着服したのかなど事実確認を行う必要があります。自分で横領の証拠を集めることもできますが、よりスピーディーかつ正確な証拠をつかみたい方は探偵事務所に依頼するのがおすすめです。千葉県千葉市を中心に探偵業を行っている探偵社アヴァンスでは、無料相談を受け付けているのでぜひ一度ご相談ください。