
婚約破棄の慰謝料に関する相場や高額となる事例などを詳しくご紹介
婚約後に、浮気などのトラブルが発覚し、婚約破棄となるケースがあります。結婚を夢見ていた方にとって、婚約破棄は大変つらい出来事でしょう。婚約破棄となった場合、慰謝料はもらえるのか、いくらぐらいが相場なのかなど、さまざまな疑問が出てくると思います。婚約破棄となった方は、慰謝料について知っておくと安心です。
そこで、本記事では、婚約破棄による慰謝料の相場や慰謝料が高額となるケースなどについて解説します。
- 婚約破棄とは?
- 婚約破棄による慰謝料の相場
- 婚約破棄による慰謝料の算出方法
- 婚約破棄による慰謝料が高額になる要件
- 慰謝料請求の方法
- 慰謝料請求のために証拠を集める方法
- 婚約破棄の慰謝料に関するよくある質問
婚約破棄という予期せぬ事態は避けたいものです。しかし、万が一の事態に備え、慰謝料請求などに関する知識を持っておきましょう。
1.婚約破棄とは?
そもそも婚約破棄とはどんなものなのでしょうか?
1-1.結婚の約束を一方的に破ること
婚約破棄とは、結婚の約束を一方的に破ることを指します。正当な理由がないにもかかわらず、結婚の約束を白紙にすることです。
1-2.結婚に向けた準備を進めていた場合は損害が生じる
婚約破棄をした場合、多額の損害が生じる場合があります。すでに結婚式場を押さえていた・結婚に向けて退職届を出していたなどの場合、経済的損失は大きくなるでしょう。
1-3.精神的負担も大きい
婚約破棄による精神的負担も大きいでしょう。結婚は、将来への希望を抱く出来事です。婚約破棄による精神的苦痛が生じ、心の病などを発症するケースもあります。単純に結婚の約束が白紙になったというだけで済まないのです。
2.婚約破棄による慰謝料の相場
婚約破棄による慰謝料はいくらぐらいなのでしょうか? 相場についてご紹介します。
2-1.個々の事情によって変わる
婚約破棄による慰謝料は、個々の事情によって変わるものです。婚約破棄に至る理由や状況を考慮し、慰謝料の金額を話し合うのが一般的でしょう。
2-2.30万〜300万円が相場となっている
慰謝料の相場は、30万〜300万円が相場となっています。あくまでも相場で、慰謝料の算定には、交際期間・婚約期間・妊娠・中絶・年齢・社会的地位などを考慮して決めるのが一般的です。
3.婚約破棄による慰謝料の算出方法
婚約破棄による慰謝料の算出方法について解説します。
3-1.交際期間
交際期間が長いほど、婚約破棄による精神的ダメージは大きくなります。結婚適齢期を過ぎてしまい、結婚・恋愛・出産なおの機会を失われてしまうケースもあるのです。
3-2.婚約破棄の理由
婚約破棄の理由も慰謝料の算出方法になります。別の異性と交際していたなどの事実があった場合、悪質と判断され、慰謝料が増額されるのです。
3-3.婚約期間が長い
婚約期間が長く、周囲が結婚をすることを認識している場合、婚約破棄による精神的苦痛は大きくなります。婚約破棄となっても、別の異性と交際しにくいなど、生活にも影響を及ぼすことが予想されるでしょう。
3-4.退職した
女性の場合、結婚を機に退職するケースがあります。退職によってキャリアや社会的地位を失うため、婚約破棄で再就職を余儀なくされるのです。経済的損失に加え、精神的負担も大きくなることから、慰謝料算出の際に考慮されます。
4.婚約破棄による慰謝料が高額になる要件
慰謝料は一定の要件に従って算出されます。しかし、まれに高額な慰謝料が設定される場合があるので知っておくことが大切です。
4-1.妊娠
女性が妊娠している場合、婚約破棄によってひとり親として育てていくか、中絶しなければならないかの選択を迫られます。出産も中絶も心身ともに大きな負担となるものです。出産した場合、慰謝料増額に加え、養育費などの話し合いも必要となります。
4-2.浮気
浮気が要因で婚約破棄となった場合、された側(がわ)に落ち度はないため、慰謝料が高額になるのです。浮気の事実に加え、浮気していた期間や悪質度などを考慮し、慰謝料を算出します。
4-3.婚約破棄の時期
婚約破棄の時期によっては、慰謝料が高額になるケースがあるでしょう。すでに式場などの準備が整っている段階で婚約破棄となった場合、キャンセル料や招待客への連絡などに対応しなければなりません。経済的ダメージに加え、精神的ダメージも大きいことから、慰謝料は高額になるのです。
4-4.年齢
慰謝料には、婚約破棄がなされたときの年齢も考慮されます。女性は、妊娠や出産に適した年齢があるためです。婚約破棄された際、適齢期を過ぎていたら、女性としての大切な時期を棒に振ったとして、慰謝料が高額になるケースがあります。
5.慰謝料請求の方法
慰謝料はどのように請求すればいいのでしょうか? 具体的な請求方法をご紹介します。
5-1.内容証明を送付する
婚約破棄した相手に対し、内容証明を送付する方法があります。内容証明を送る際は、弁護士や行政書士に作成を依頼しましょう。慰謝料請求をしていることを強くアピールできるため、内容証明の送付は効果的です。
5-2.協議をする
第三者を交え、慰謝料に関する協議を行う方法があります。話し合いで決めるため、一般の人だけでは適正な金額の慰謝料になるとは限りません。できれば、法律に詳しい専門家に同席してもらうといいでしょう。
5-3.裁判をする
慰謝料請求の裁判を起こす方法があります。話し合いに応じない・時間ばかりかかってしまうなどの場合、裁判で解決する方法がおすすめです。裁判官が公正な立場で審判を下してくれます。費用はかかっても、お互いに納得できる形で解決できるのがメリットです。
6.慰謝料請求のために証拠を集める方法
慰謝料を請求するためには、婚約破棄となった理由を知る必要があります。相手に非を認めてもらうためにも、きちんと証拠を集めることが大切です。証拠集めの方法についてご紹介します。
6-1.自分で調べる
自分で調査する方法があります。費用をかけずに済む方法ではあるものの、自分で調査するのは難しいケースが多いでしょう。浮気などが理由で婚約破棄となった場合、尾行や追跡なども行わなければなりません。調べていることがバレてしまい、慰謝料なしとされてしまうケースもあるでしょう。リスクが伴うことを理解してから行動してください。
6-2.興信所などに依頼する
興信所に依頼する方法があります。興信所は身上調査や素行調査を行う調査機関です。とはいえ、調査対象者に調べていることを伝えてから調査を開始するため、秘密裏に行動したい場合は不向きでしょう。
6-3.探偵事務所に依頼する
探偵事務所に依頼し、婚約破棄となった理由を探ってもらう方法があります。探偵事務所は隠密(おんみつ)行動を得意とし、調査対象者にバレずに調査を進められるのがメリットです。尾行・追跡・張り込みなど、調査のノウハウを熟知しているため、確実に証拠を集めることができます。費用は割高でも、お得な料金プランを用意しているところもあるので、複数社を比較して決めてください。
7.婚約破棄の慰謝料に関するよくある質問
婚約破棄の慰謝料に関する質問を集めました。
Q.話し合いで慰謝料を決める場合、示談となってしまうケースもあるのか?
A.はい、あります。相場より低い慰謝料で折り合いをつけ、示談となるケースも多いものです。泣き寝入りしたくない場合は、法律の専門家へ相談しましょう。
Q.慰謝料は口約束で決めてはいけないのか?
A.口約束はいけません。後々トラブルが起きても、慰謝料の金額や支払い方法などを立証するものがないからです。必ず書面で約束を交わしましょう。
Q.相手に過失があっても、むやみに高額の慰謝料は請求できないものなのか?
A.はい、できません。婚約破棄の理由に加え、相手の経済状況なども考慮する必要があるからです。支払い不能な金額を請求しても、後々トラブルが起こることが予想されます。そのため、適正な慰謝料を請求することが大切なのです。
Q.婚約破棄の慰謝料を一括で支払ってもらうことは可能か?
A.相手の状況によります。預貯金がある場合、話し合いで合意できれば、一括支払いに応じてもらえるでしょう。支払い方法もしっかり希望を伝え、納得できる話し合いにすることが大切です。
Q.慰謝料の約束は、どのような書面で残すのがベストなのか?
A.可能であれば、公正証書で残しておきましょう。公証役場に持参して作成できます。滞納や未払いなどで裁判などに発展した際、公正証書があれば有利です。
まとめ
婚約破棄は、人生を揺るがす出来事です。女性なら、妊娠・出産の時期を逃してしまうこともあるでしょう。婚約破棄に至った理由などを調べ、適正な慰謝料を請求することが大切です。慰謝料請求を検討されている方は、相場や高額となる事例などを知っておきましょう。