子供を守る!不倫離婚の影響や親権・戸籍・養育費・手続きの全知識

不倫による離婚を考えたとき、最も気になるのは子供への影響ではないでしょうか。養育費・生活面などの心配はもちろんのこと、子供を片親にしてしまうことの不安など、影響を考え出すとキリがありません。離婚理由を話すか隠すかも悩む方が多いです。そこで今回は、不倫離婚によって子供になるべく影響を残さないメンタルケアの方法や、戸籍・親権・養育費・面会などの気になる手続きなどについてご紹介します。

  1. 不倫が子供に及ぼす影響とは
  2. 離婚が子供に及ぼす影響
  3. 子供がいる場合の離婚について
  4. 離婚と子供について必要な手続きとは?
  5. 離婚後、子供に悪影響を残さないためのポイント・コツ
  6. 不倫による離婚と子供について よくある質問
  7. まとめ

離婚はだれでも不安です。不倫による心の傷を受けたのならなおさらでしょう。しかし、この記事を参考にすれば、不安の材料をひとつひとつ確認し対策を考えることができます。離婚を考えている方や、不倫離婚の影響を子供に与えたくないとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

1.不倫が子供に及ぼす影響とは

1-1.不倫が子供に与える影響について

不倫が子供に与える悪影響は計り知れません。順番にご紹介します。

1-1-1.自分を否定してしまう

親が不倫したと知ったとき子供は「自分が悪い子だったから母親(父親)は他の人のところへいってしまったんだ」と思う傾向にあるそうです。ずっと仲良くして過ごすはずだった両親がうまくいかなくなることを自分のせいだと思い込み、子供は自己否定状態になってしまいます。

1-1-2.異性を信じられなくなる

母親(父親)に裏切られたという経験は、子供が将来恋愛をした際に「また裏切られるのではないか」という不信感を招いてしまいます。浮気や一方的な別れを恐れ、恋愛にふみこめない・恋人を作りにくくなってしまうなどの弊害が出てしまうのです。

1-1-3.学業などに専念できなくなる

親の不倫・離婚により、生活面も精神面も不安定になります。学業や交友関係など、自分のことに手がつかなくなってしまうほどの不安を感じることもあるでしょう。片親となった場合には家事手伝い・アルバイトなどによって時間が取れなくなることもあります。

1-1-4.将来不倫しやすくなる

不思議なことに、不倫した親の子供も不倫しやすいという統計があります。遺伝によるものか環境によるものかは審議が分かれるところです。一説では、親が不倫をしなければ子供は不倫を知らずに育ちますが、親が不倫をすることで子供に「不倫」という人生の選択肢が発生することが一因ではないかともいわれています。

1-2.ダブル不倫が及ぼす影響は?

不倫相手も既婚者のいわゆるダブル不倫の場合、相手方の子供にも悪影響を及ぼしてしまいます。相手方の子供が不倫相手を認識していてもいなくても、「親を取られた」という恨み・悔しさ・寂しさが一生ついて回ることになるでしょう。そのため、相手方の子供にも前項のような悪影響が出てしまうのです。

1-3.子供の年齢と親の不倫の影響について

1-3-1.幼い子供~小学生の場合

1歳~3歳くらい年齢の子供は不倫の意味はわかりません。小学生くらいになってくると、なんとなくの意味くらいはわかるようになります。いずれの場合も「母親(父親)がだれか違う人を好きになってしまったらしい」という漠然とした寂しさが子供を襲うでしょう。また、幼い子供は両親の不仲を自分の生命の危機ととらえることもあるのです。両親が口論した際にはとてつもない恐怖心を感じてしまいます。そういう環境で育った子供は、両親の仲を取り持とうと幼いながらに気を使いながら過ごすことになるでしょう。すると、周囲の人の感情を異常に気にしすぎる大人に成長してしまいます。

1-3-2.思春期の場合

思春期の子供は不倫の意味がはっきりとわかるでしょう。両親の離婚による不安・心配をよりリアルに感じるようになってしまいます。ただでさえ多感な年齢で、子供自身も恋をしていることもあるでしょう。そんな年ごろに、一番身近な男女である両親が不倫により不仲になったり離婚したりしてしまうことは、子供にとって大変悪影響になってしまいます。人間不信に陥っても仕方ないくらいの心の傷を負うことになってしまうでしょう。また、年齢が15歳を過ぎると親権の決定に子供の意思が優先されることになります。

1-3-3.18歳ごろ~成人後の場合

子供への影響を考え、子供が成人するまで離婚を待つ夫婦が多いです。しかし、たとえ子供が成人したからといって、両親の離婚による影響がまったくないわけではありません。いろいろと物事をわかっている分、親に気を使ったり、子供自身の結婚にも影響が及んだりすることもあります。

2.離婚が子供に及ぼす影響

2-1.生活面での影響

離婚によって、子供の生活環境はガラっと変わります。片親の場合、仕事に出ている親のかわりに家事を負担する機会が多くなることもあるでしょう。子供がおこなう家事が「お手伝い程度」なのか「子供がいなければ生活がなりたたない程度」なのかは、子供にとって大きなプレッシャーとなってしまいます。

2-2.心理的な影響

両親の離婚は、子供にとって少なからずトラウマとなることがほとんどです。心配・寂しさ・怒り・不信感などの感情がうずまき、それらの感情を自分で押し殺してしまう場合もあります。離婚後、あまりに「いい子」すぎたり負の感情を表に出さなくなったりしてしまった場合は要注意です。

2-3.片親疎外・アダルトチルドレンについて

離婚後に、不倫された側の親が不倫した側の親への悪口などを子供に吹き込み続ける状態を「片親疎外」といいます。片親疎外の中で育てられた子供は、意識的もしくは無意識に不倫した側の親を嫌う・会いたくないと思うようになってしまうのです。親の洗脳・支配下に置かれていると言い換えてもいいでしょう。このように育てられた子供は、「片親疎外のアダルトチルドレン(=子供のころにおった傷や精神的負荷を大人になっても持ち続けている状態・人)」と呼ばれます。片親疎外・アダルトチルドレン化も、離婚・不倫による子供への大きな影響の結果といえるでしょう。

3.子供がいる場合の離婚について

3-1.子供がいる場合の離婚のメリット

離婚と子供の有無には大きな関係があります。子供がいる場合の離婚はデメリットだらけのような印象がありますが、実はメリットもあるのです。

3-1-1.家庭の再構築がしやすい

子供がいることによって離婚を考えなおしたり、離婚後もなんらかの形で元妻(元夫)との関係を維持することができます。不倫で離婚したとはいえ、一度は運命共同体として生涯を誓った相手ですので、関係が断絶されないというのはひとつのメリットといっていいでしょう。

3-1-2.自暴自棄にならない

妻(夫)に裏切られ心神喪失状態になってしまっても、子供がいることによって人生を乗り切ろうと思うことができます。不倫・離婚による心の傷を子供に支えられることも多いはずです。

3-1-3.元妻(夫)を気にする余地がなくなる

自分を裏切った妻(夫)への怒りは、考えれば考えるほどキリがありません。子供がいれば子育ての多忙さ・子供が心を占める割合が多くなるなどの理由で怒る余地が少なくなります。

3-2.子供がいる場合の離婚のデメリット

3-2-1.片親は大変

一般的に子供を1人で育てるのはとても大変です。時間・労力・金銭すべてにおいて負担は増すでしょう。子供も「なぜ自分はお母さん(お父さん)しかいないんだろう」と悩んだり、周囲の人にからかわれたりする可能性もあります。

3-2-2.子供に会える機会が減る

親権を取れなかった側の親は1人(もしくは不倫相手と2人)で生活することになります。子供と別れてつらくない親などはいません。別れた妻(夫)との相談によっては面会・面談が可能になりますが、今まで毎日顔を合わせていた子供と会える頻度が減ってしまうというのはつらいものがあるでしょう。

3-2-3.養育費

状況によって養育費の支払義務は変わります。親権を取れなかったうえで養育費を支払わなければならなくなると、金銭・精神面での負担はとても大きいです。普通の親であれば、大事な子供のためならいくらでもお金を出せるのではないでしょうか。しかし、せっかくお金を出しているのにその成果=子供の成長過程などを逐一見ることができません。物を買ってあげたときの子供の喜ぶ顔や、進級の際の制服姿を写真や動画でしか見ることができないのは大変つらいことだと思います。

3-3.夫婦だけの離婚ケースとの違い

子供がいない場合は、子供への影響を考えず自分の環境や気持ちだけを判断材料として離婚を考えることができます。子供がいなければ元妻(夫)との接点もほぼなくなりますので、後腐れなく新しい人生を過ごせるのではないでしょうか。ただし、2人の生活が1人になってしまうため、寂しさを感じたり気力がわかなくなったりなどの弊害もあります。

4.離婚と子供について必要な手続きとは?

4-1.戸籍について

離婚後3か月は旧姓に戻すか結婚時の姓のままでいるかを決めることが可能です。3か月を過ぎてしまうと旧姓に戻す手続きがができなくなります。子供を引き取った場合、子供を自分と同じ姓・戸籍にするために「母の氏を称する入籍」の手続きが必要です。そのためには家庭裁判所の許可を取る必要があります。また、子供の姓が変わると学校などで不便がある場合は、子供だけ結婚時の姓のままにすることも可能です。しかし、同じ戸籍の中にいる人同士は姓も同じでなければなりません。一方、住民票の手続きは戸籍手続きよりは簡素で姓が違っても同じ世帯として入ることが可能です。

4-2.親権について

不倫をした側が親権を取ることは難しいと思われがちです。しかし、親権は子供を起点とした観点で判断されるため、不倫をした親であっても子供にとって有益であれば親権を取ることができます。ただし、不倫によって親権者として不適格であると判断されてしまうと親権を取ることは難しくなるでしょう。たとえば、不倫により家事・仕事がおろそかになっていた場合や、不倫相手が子供を虐待した場合などです。不倫をしていても、経済的余裕・時間的余裕がある中で愛情を持って子育てをした実績があるかどうかが親権に大きくかかわってきます。

4-3.養育費について

養育費は、元妻(夫)のためではなく子供のために使うお金です。そのため、不倫をした側が親権を取った場合でも、不倫された側も養育費を支払う必要があります。たとえ不倫による離婚でも「子供に非はない」「養育にはお金がかかる」という事実は変わりません。養育費は月3万円~10万円ほどが一般的ですが、10万円以上支払うケースもあります。また、不倫した側が再婚し、再婚相手と子供が養子縁組を結んだ場合は家庭裁判所での調停をおこない養育費を減額することも可能です。

4-4.子供との面会について

離婚後も子供が親に会いたい気持ちと親が子供に会いたい気持ちを考慮し「面会交流権」が認められています。ただし、経済的余裕があるのに養育費を払わない・子供が会うことを拒むような場合には面会交流権が認められないこともあるので注意してください。また、親権を取った側の親が面会させたくなくなる(面会拒否)可能性もあります。親の感情論により子供がつらい気持ちにならないためにも、面会については以下をきちんと取り決めるのがおすすめです。

  • 面会の頻度
  • 面会の時間(宿泊有無)
  • 子供の受け渡し方法(送迎など)
  • 面会中の連絡方法

上記取り決めをしても、子供が面会拒否を望んでいる場合、無理に面会することはできません。子供が面会拒否をする場合、親権者に気を使っているか本当に会いたくないかのどちらかです。面会拒否が親権者の希望なのか子供の希望なのかの見極めは難しいところではあります。子供に会えないいらだちや寂しさを感情的に親権者にぶつけてもさらに状況は悪化するので注意してください。

4-5.離婚後の子供の相続について

離婚後、夫婦は他人となるため一方の財産を相続する権利を失います。しかし、親子関係は消えませんので、子供に対する相続権は残るのです。離婚後何十年かたった後でも遺産が子供に相続されることもあります。子供に遺産を相続させたくない場合には遺言状が必要です。元妻(夫)との子供にも最低限の遺産相続権が残りますので、100%相続させないというわけにはいきません。ですが、再婚相手や再婚相手との子供に多くの財産を残したいのであれば遺言状は必須です。

5.離婚後、子供に悪影響を残さないためのポイント・コツ

5-1.離婚の時期・タイミングを計る

不倫にともないDVや虐待などで急を要する場合以外は、離婚の時期は慎重に検討しましょう。離婚にともなう環境の変化は子供・親ともに負担がかかります。仕事からの帰宅時間(子供の留守番時間)・新しい保育園とその送迎・子供の通学など、別居前にできることはすべて慣れさせておくことが重要です。貯金額を目安にすることもあります。

5-2.子供に伝えるべきこと・隠すこと

離婚後何もわからない歳(とし)だからといって説明もなしに別居することは子供にとって大きなストレスとなります。では、母親(父親)と暮らせなくなる子供にとって、どのような説明をするべきでしょうか。

5-2-1.子供に伝えるべきこと

まずはお父さんもお母さんも子供を愛していることをしっかり伝えましょう。お父さん(お母さん)とは離れて暮らすけれど、お互い嫌いになったわけではないということを話すと子供は安心します。経済的なことがわかる年ごろであれば、生活費などの不安は一切ないことを伝えてください(親に不安があったとしても)。片方の親がいなくなるというだけでもストレスなのに「うちはお金もないんだ」と思ったときの子供の不安は計り知れません。

5-2-2.子供に隠すべきこと

不倫した妻(夫)にどれだけ恨みがあっても、子供にそれを悟らせてはいけません。悪口などはもってのほかです。不倫の意味がわからないくらいの年ごろでしたら、「お母さん(お母さん)はお仕事で遠いところにいかなければなくなったの」などと説明しておき、大きくなったころにきちんと説明してもよいでしょう。ただし、子供は親のウソをすぐに見抜きますので、子供が不信がるような場合は正直に話してあげてください。その場合、不倫した母親(父親)の愛情が「不倫相手<子供」であることをきちんと伝え、子供のことは大好きだけど離れて暮らさなければいけなくなってしまったと説明しましょう。

5-3.子供のせいにしない

母親(父親)が去ってしまうことを子供は自分のせいだと思う傾向があります。両親が仲たがいする状況が受け入れられず「自分が悪い」と思うことで心の安定を図ろうとするためです。離婚と子供は別問題であること・子供はまったく悪くないことを、子供が理解するまでしっかり伝えてください。

5-4.第三者に頼る

離婚により子供の精神が不安定になった場合、家族以外にも子供の声を聞いてあげる人がいるとよいでしょう。幼い子供でも両親に気を使うことがありますので、なんでも話せる相手がいることはとても重要です。子供の隠れた悲鳴を感知することもできます。学校の先生・親戚・心療内科の先生など、味方になってもらえる人の協力を得てください。ただし、第三者から子供への言葉は最低限に抑えてもらい、子供の声を聞くことを優先してもらうとよいでしょう。

6.不倫による離婚と子供について よくある質問

6-1.離婚して戸籍が変わると記録に残る?

離婚にともない、妻が夫の戸籍を抜け新しい戸籍に入ることは戸籍謄本(とうほん)に残ります。戸籍に離婚歴を残したくないなら、転籍(本籍地を変更)する必要があるのです。たとえば結婚時に本籍地「A県a市」、姓「A山」の戸籍に入っていた妻が離婚し、旧姓「B田」に変更したとします。その場合、普通は「A山」→「B山」という記録が残ってしまいますが、本籍を「A県b市」を変更することで「B山」の戸籍には「A山」の記録は残りません。ただし、本籍を「A県a市」内の別の本籍地(番地だけなど)に変更しても本籍変更となるだけで、姓などの記録は変わらないので注意してください。本籍地は別の市区町村に変更する必要があります。

6-2.一度取った(取られた)親権を変更することはできる?

親権がコロコロと変わることは子供にとって悪影響となりますので、よほどの事情がなければ親権を変更することはできません。よほどの事情とは、虐待・育児放棄などにより子供の幸福が実現されない場合です。

親権を変更するには、親権者変更調停の申立ての手続きを家庭裁判所にておこなう必要があります。たとえば、千葉県の裁判所では以下のとおりです。

親権者変更調停の申立て

http://www.courts.go.jp/chiba/vcms_lf/05-shinkensha.pdf

6-3.親権と監護権の違いとは?

  • 親権:子供が社会人になるまで、養育保護することを義務づけられた身分。子供の身の上や、財産に関する権利義務などを請け負います。子供がアルバイトや携帯電話を買うときなどの保護者同意ができるのは親権者だけです。
  • 監護権:一方、監護権は”一緒に暮らす権利”のことです。普通は親権の一部として含まれることが多いですが、離婚後この権利を分離する夫婦もまれにいます。監護者として育てることはできないけれどせめて親でありたいという気持ちから親権を持つというパターンもあります。また、監護者が再婚し子供を再婚相手との養子縁組に入れたくても親権がなければできません。子供を勝手に他の家の子供にしたくない場合にも親権があると、これを防ぐことができます。

6-4.不倫された場合の慰謝料の相場は?

不倫が発覚したけれど子供のためなどの事情で離婚しない、もしくは別居だけで済ませる場合も慰謝料は発生します。

  • 別居なしで夫婦関係を続ける場合:50万~100万程度
  • 別居の場合:100万~200万程度
  • 離婚の場合:200万~300万程度

6-5.離婚後、子供との面会頻度はどのくらい?

月に1回程度が基本的な面会頻度です。そのほか、夏休み冬休みや運動会・イベントなどで面会をおこなえる場合があります。幼い年齢の子供ですと月に1回の面会では人見知りして泣いてしまう場合もありますが、面会頻度を急にあげたりおとしたりしないのが無難です。子供も徐々に面会に慣れてきますので、子供の意思を尊重しながら慌てず面会に臨んでください。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。不倫による離婚は子供・不倫された側の心の傷になってしまいます。さらに、生活面や各種手続きでの不安はなかなかぬぐえないものです。しかし、子供のため・自分のためにしっかりと前を向いていきましょう。子供への影響を考えすぎるあまり自分のことをおろそかにしないよう、まずは自分がしっかりして子供を守ってあげてください。