夫婦別財布の家庭が増えている? メリット・デメリットを詳しく解説

夫婦共働きの世帯は、年々増えています。それにともなって家計の管理の仕方も、スタイルが変わってきているのです。

また、「夫婦の収入はどちらかが一緒に管理するべき?それとも各自で管理するもの?」と悩んでいる方も多いでしょう。

そこで、今回は夫婦別財布のメリット・デメリットをご紹介します。今は、「自分が稼いだお金は自分のもの」という意識が強い人も多いでしょう。しかし、あまり自分のお金にこだわりすぎても、夫婦生活はうまくいきません。夫婦で家計をどのように管理するか悩んでいるという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 夫婦別財布とは?
  2. 夫婦別財布のメリットは?
  3. 夫婦別財布のデメリットは?
  4. 共働きの家庭で上手に家計をやりくりする方法

1.夫婦別財布とは?

夫婦別財布とは、夫婦それぞれの収入を各自が管理する方法です。
専業主婦が多かった時代は、男性の給与を丸ごと預かったり、一部を生活費としてもらって家計をやりくりしたりする家が大半でした。
しかし、夫婦がどちらとも正社員として働く家庭が多くなってくると、自分のお金を自分で管理したいという人も増えてきます。ですから、生活費を出しあった後の残りは自分の好きに使う夫婦別財布、というスタイルの家が多くなっているのです。

2.夫婦別財布のメリットは?

では、夫婦別財布のメリットはどのようなものでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。

2-1.家計を管理する負担が減らせる

夫婦ふたり分の収入になると、それなりの金額になるでしょう。
すべてをどちらかが管理するとなれば、負担が大きくなります。
公共料金や固定費の支払いの口座管理、保険の見直し、教育費などの積み立てもひとりで行わなければなりません。
仕事をしながらこれらのことをすべて行うのは、大変でしょう。
夫婦別財布にすれば、自分のお金だけ管理すればよいのです。

2-2.自由に使えるお金が増える

夫婦どちらかに給料をすべて預ければ、自由になるお金はごくわずかです。
給与は労働に対する報酬ですから、それがなくなればモチベーションも低下しやすいでしょう。
また、働いていると急な出費が必要になることも多いです。
そのときに、手持ちがないと困ったことになります。
夫婦別財布ならば、まとまったお金を自分の裁量で動かせるでしょう。

2-3.へそくりもためやすい

へそくりとは、配偶者に内緒でためるお金のこと。
主婦がするものというイメージがありますが、夫婦別財布ならば夫もへそくりがしやすいです。
大人になれば、高額なものが欲しくなるときもあります。
しかし、配偶者に反対されることもあるでしょう。
そんなときに、コツコツへそくりをためていれば、欲しいものをあきらめずにすみます。
へそくりというとマイナスイメージがありますが、節約してためたお金なら後ろめたさを感じることもありません。

3.夫婦別財布のデメリットは?

しかし、夫婦別財布にもデメリットはあります。この項では、その一例をご紹介しましょう。

3-1.夫婦共同の貯金がためにくい

結婚をしたら、夫婦共同の貯金もしていく必要があります。
この貯金が家の頭金や子どもの教育費、さらに老後の資金になるのです。
しかし、夫婦別財布の場合はこの共同貯金がためにくくなります。
夫婦といえども、金銭感覚は違うでしょう。
どちらかが浪費家の場合、給与をすべて使って貯金がないということもあり得ます。
ですから、いざまとまったお金が必要になったとき、用意できないというケースもあるでしょう。

3-2.どちらかの収入がなくなったときに困る

夫婦別財布の方が、個人が使えるお金は多いです。
しかし、夫婦がずっと共働きでいられるとは限りません。
特に、女性は育児や介護などで休職や退職をしたり、正社員からパート勤務になったりする可能性もあるでしょう。
そのときに、ひとりの収入で生活を賄おうと思うと、大幅に自分が使えるお金が少なくなります。
そうなると、不満もたまりやすいでしょう。
それは、夫婦仲にも影を落とすこともあるのです。

3-3.不公平感がある

現在の日本では、どうしても男性の方が収入は多くなりがちです。
たとえば、夫が30万、妻が20万の給与収入がある家庭で、同じくらい生活費を出しあえば妻の方が使えるお金は少なくなります。また、収入に応じで割合を決めたとしても、多く払っている方が不公平感を覚えることもあるでしょう。
また、夫婦どちらかにだけボーナスがあった場合も、もめやすいです。

4.共働きの家庭で上手に家計をやりくりする方法

では、どうすればスムーズに家計のやりくりができるのでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。

4-1.支出の総額を明らかにしよう

結婚して1~2か月たてば、生活に必要なお金も分かってくるでしょう。
また、結婚を機に新たに保険へ入るなどして、支出が増えることもあります。
そこで、支出の総額をまずは明らかにしましょう。
そうすれば、暮らしていくのにどれだけのお金が必要か分かります。
このとき、支出の中に夫婦共同の貯金を入れておきましょう。
「各自で貯金しよう」というスタイルにしておくと、貯金が苦手な方はなかなかたまりません。
夫婦共同の貯金も支出の一部にしておけば、残ったお金はおこづかいにしても問題ないでしょう。

4-2.費用を分担するスタイルもある

たとえば、生活にかかる費用をすべて夫が払い、妻の給与をすべて貯金に回すというスタイルもあるでしょう。
また、固定費や食費を夫が払い、保険や子どもの教育費は妻というスタイルもあります。
このように、同額ずつお金を出さなくても夫婦で費用を分担するスタイルもお勧めです。
特に、子育てや介護で妻が離職する可能性が高い場合は、なるだけ夫の給料でやりくりするようにしましょう。
そうすれば、収入が減ってもそれほど生活が困ることはないはずです。

4-3.お互いのおこづかいの使い道には口を出さない

おこづかいは、夫婦が自由に使ってもよいお金です。
ですから、使い道に口を出してはいけません。
ただし、趣味の品が共有スペースまではみ出してきたら、自重してもらいましょう。
また、おこづかいで買ったものを勝手に捨てたり自分で使ったりしてもいけません。
さらに、男性だけにお金がかかる分野と女性だけにお金がかかる分野があります。
化粧品などがその一例ですね。
このようなものにかかるお金は、つい「もったいない」と思ってしまいがちですが、それも口に出さないように心がけましょう。

おわりに

いかがでしたか?
今回は夫婦別財布のメリットやデメリットをご紹介しました。
まとめると

  • 夫婦別財布にすると家計を管理する苦労や手間がなくなる。
  • 自分で自由に使えるお金が増え、へそくりもしやすい。
  • 仕事をするモチベーションも上がる。
  • 貯金が思ったよりたまらないことが多い。
  • どちらかが離職すると家計が苦しくなりやすい。

ということです。
特に、結婚するまで親元で暮らしている場合は、光熱費や食事がどのくらいかかるのか把握しにくいでしょう。
ですから、結婚して初めて「ただ暮らすだけでも、お金がかかる」ということに気づく人もいると思います。
でも、そこから家計をやりくりしていかなければなりません。
さらに、子どもができれば教育費もかかります。
自由に使えるお金は減りますが、いつまでも独身気分というわけにもいかないでしょう。
気持ちを切り替えてやりくりをしていってください。