浮気と不倫の法律的な定義とは?

浮気と不倫は同時に語られることが多いのですが、不倫と浮気にはどのような違いがあるのでしょうか?

似たような言葉である“浮気”と“不倫”ですが、定義や法律的な意味は明確に異なります。

たとえば、浮気と不倫では慰謝料請求に関する取り扱われ方など、法律的な面から見た違いがあるのです。

不倫や浮気の意味の違いや定義、法律的な面から見た違いなどについて詳しくご紹介しましょう。

目次

  1. 浮気と不倫の違いとは?
  2. 慰謝料請求の際の違いとは?
  3. 浮気・不倫に対して慰謝料請求を行うには?
  4. まとめ

1.浮気と不倫の違いとは?

1-1.浮気と不倫

似ている言葉でも、使い分けられている言葉であれば意味や定義が異なります。

浮気と不倫も非常に似た意味をもつ言葉なのですが、2つの言葉がある以上2つの意味があるのです。

実は言葉の意味だけではなく、浮気と不倫には法律的な面においても明確な違いがあります。

浮気と不倫の違いとはどのようなものかを詳しくご紹介しましょう

1-2.浮気の定義とは?

【相手との関係性】

浮気には多くの意味がありますが、現在では“パートナーがいるにもかかわらず、ほかの異性に心を移す”という意味で使用されています。

この際に結婚・婚約などの関係性に加えて、恋人に対する意味に対しても使用されているのです。

浮気という概念は結婚・婚約などの関係に加えて、恋人に対しても使用されます。

浮気は相手との関係に大きな制約はありません。

【浮気に含まれる行動】

浮気は相手の関係に関しても非常に範囲が広く“キス”“デート”なども浮気の行動に含むという意見が一般的です。

相手との積極的な体の触れ合いが、浮気行動のボーダーラインであると一般的には解釈されています。

【浮気と心情的な意味】

浮気という言葉は“心がうわついていること”を指す言葉であることから、心情的な意味もあります。

肉体的な接触がなくても、ほかの人に思いを寄せるだけでも浮気は成立することもあり、浮気は非常に広い意味をもっている言葉なのです。

1-3.不倫の定義とは?

【相手との関係性】

浮気が非常に広い意味をもっている反面不倫は非常に使用の範囲が狭いのが特徴です。

不倫は相手との婚姻や婚約などがある場合に成立します。

婚約・婚約者であるパートナーによる“浮気”がすなわち“不倫”なのです。

【相手との関係】

不倫は相手との関係も重要な判断材料です。

不倫は肉体関係の有無が定義の大きな判断材料になります。

不倫は法律では“不貞行為”を意味しており、“異性との性交渉”が不貞行為です。

肉体関係を伴わない場合には不貞行為ではないため、不倫にもあたらないというのが一般的な解釈と考えて良いでしょう。

2.法律の面から見た浮気と不倫の違いとは?

2-1.不倫は不法行為

法律的の面から浮気と不倫を見ると非常に大きな違いがあります。

不倫は不法行為であるのに対して、浮気は不法行為にはあたりません。

これは不倫である“不貞行為”が法律で定められていることが理由です。

法律に定められた不貞行為について詳しくご紹介しましょう。

【法律上の不貞行為とは?】

法律で不法行為とされている“不貞行為”ですが、これが不倫のすべてに当てはまるわけではありません。

不貞行為とされる浮気は“肉体関係のある男女の関係”であり、婚姻関係にある当事者に対して適応される法律的な義務です。

ここで重要なのは“婚姻関係”であり、不倫が不法行為になるには結婚の事実が非常に重要になります。

法律的な意味の不倫は結婚の事実があって始めて適応される義務なのです。

このように、夫婦の間の不倫は不貞行為であり、恋愛における浮気というのは不法行為ではないことが結論付けられます。

2-2.浮気と不倫には慰謝料請求はできる?

法律的な面から見た“浮気”と“不倫”は大きく性質が異なります。

不倫が法律的な意味をもっているのに対して、浮気は法律的な意味をもっていません。

このことから、不法行為である夫婦間の不倫では慰謝料請求ができるのに対して、恋人間の浮気は不法行為ではないので慰謝料請求はできないのです。

恋人間の浮気に関しては慰謝料請求できないのが基本的な結論ですが、恋人の浮気に関しても慰謝料請求が可能な場合があります。

【婚約関係にある場合】

浮気によって婚約が破棄になった場合には、婚約破棄に対する慰謝料請求ができます。

婚約関係にある場合のパートナーの浮気では、“浮気の証明”が必要になるので証拠をしっかりとそろえた上で慰謝請求に望みましょう。

【内縁関係にある場合】

内縁関係は、法律上では夫婦と同様に扱われるのです。

夫婦と同様であることから、内縁関係中の浮気・不倫は不貞行為の対象となります。

内縁関係における慰謝料の請求では“不貞行為の証明”が必要になるのでしっかりと証拠を準備することが大切です。

3.浮気・不倫に対して慰謝料請求を行うには?

3-1.慰謝料請求前の確認

パートナーの浮気を許すことができないのは当然です。

しかし、浮気や不倫は浮気に対して慰謝料請求をする前にしっかりと対策を練ることが大切になります。

浮気や不倫に対して慰謝料請求するための確認事項と対策についてご紹介しましょう。

【恋人に対する慰謝料請求はできない!】

恋人に対する浮気に対して、慰謝料請求はできません。

これは、恋人同士の関係性においては貞操義務がなく、浮気は不法行為ではないためです。

不法行為ではない行為に対して慰謝料請求は行えないので、基本的に恋人の浮気に対する慰謝料請求は不可能と考えて良いでしょう。

【夫婦・婚約に対する慰謝料請求には証拠が必要!】

夫婦・婚約の関係性においては貞操義務が生じるため浮気や不倫は不法行為です。

不法行為なので被害を受けた場合には、慰謝料などの賠償損害請求が行えます。

しかし、慰謝料請求には“不貞行為の証明”が必要です。

不貞行為の証明する証拠がなければ、示談・調停・訴訟などで慰謝料請求が認められることはありません。

3-2.不貞行為の証拠とは?

不貞行為の証拠は、法律的には“肉体関係のあった明確な証拠”です。

“密会の約束”“メールでのやりとり”などは決定的な証拠にははりません。

慰謝料請求が認められるには“ホテルへの出入り写真・動画”など明確な証拠が必要になるのです。

パートナーの不倫や浮気に対して、慰謝料請求を視野に入れている場合には、探偵に相談するのも一つの方法といえるでしょう。

まとめ

浮気と不倫には定義の違いがあります。

恋人関係にある際には“浮気”、夫婦関係では“不倫”と使い分けられることが一般的です。

浮気の定義と浮気の定義についてまとめてみましょう。

【浮気の定義】

  • 相手との関係に制約がない
  • 広義の概念
  • 法律的な意味はない

【不倫の定義】

  • 相手と婚姻・婚約を結んでいる
  • 肉体関係など具体的な関係によって定義される
  • 法律的な意味をもっている

浮気と不倫は非常に似た言葉ですが、浮気は非常に広義の意味で使い、不倫は夫婦関係における浮気と限定的な意味で使用されます。

浮気と不倫の違いで注意すべき点は“法律的な意味”です。

法律から見た違いによる、浮気と不倫の特徴に付いてまとめてみましょう。

【浮気と不倫法律的な面から見た違い】

  • 浮気は不法行為ではないため慰謝料請求できない
  • 不倫は不法行為なので慰謝料請求ができる

浮気と不倫の法律的な面から見た違いは、慰謝料請求にあります。

不倫は不法行為であること、浮気は不法行為ではないことは慰謝料請求に置いて非常に重要です。