不倫を理由にクビは可能? 不倫と解雇の関係を徹底解説

近年は、不倫に対する世間の目が厳しくなっています。芸能人でも不倫が発覚すればバッシングされ、仕事を失うことは珍しくありません。では、職場で不倫をした場合はクビになることはあるのでしょうか? 配偶者が不倫をしているようだが職場に知られたら解雇されそうなので、怖くて言い出せないという人もいると思います。
そこで、今回は不倫をした場合の職場対応や発覚した場合のペナルティについて解説しましょう。

  1. 不倫の定義や社内への影響について
  2. 社内不倫を理由に従業員をクビにできる?
  3. 社内不倫を防ぐ方法
  4. 社内不倫と解雇に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、会社が不倫をした従業員に申し渡すことができる処分について、よく分かりますよ。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.不倫の定義や社内への影響について

はじめに、不倫とはどのようなものかということや、社内不倫が行われる理由や社内への影響などについて解説します。

1-1.不倫の定義

不倫とは、「既婚者が、既婚者であることを知っている人と肉体関係を結ぶ」というものです。つまり、相手が既婚者であることを知らずにお付き合いをしてしまったという場合は不倫ではありません。また、18歳未満と肉体関係を結んだ場合は、同意の上でも児童福祉法違反となり、刑事罰の対象となります。
なお、既婚者が配偶者以外の人と肉体関係を持った場合は不倫、未婚だけれど恋人がいる人が別の人と肉体関係を持った場合が、浮気です。ですから、「婚約しているが別の人と合意の上で肉体関係を持った」という場合は、不倫ではなく浮気となります。

1-2.不倫の罪

18歳以上の男女が、双方合意の上で不倫関係になった場合の罰則はありません。ただし、その人に対する信頼はなくなり、配偶者から慰謝料を請求されたり、離婚を申し渡されたりするでしょう。ただし、上司が立場を利用して部下に肉体関係を迫った場合や、飲み会などで下心を持ってお酒を飲ませ、正常な判断ができなくなった人と肉体関係を結んだ場合は、訴えられれば罪に問われることもあります。

1-3.社内不倫の現状と問題

今から20年ほど前までは、社内不倫が発覚しても内々で処分されることが大半でした。特に、女性が退職という形になることが多く、男性の不倫は「一時の遊びだった」と思われがちだったのです。しかし、最近は不倫に対する考え方が厳しくなり、男性にも何らかのペナルティが与えられることが多くなりました。また、社内不倫が許されている会社ということが広く知られてしまうと、信用も失ってしまいます。そのため、不倫に対して厳しい姿勢を取る企業が多くなりました。
実際、社内不倫を野放しにしておくと、業務がとどこおったり、人間関係がぎくしゃくしたりして業績にも影響が出てくるでしょう。

2.社内不倫を理由に従業員をクビにできる?

この項では、不倫と解雇について解説します。不倫を理由にクビは可能でしょうか?

2-1.不倫と解雇

社内不倫をしたら即解雇、というのは残念ながら難しいでしょう。たとえ、社内規則でその旨が記してあっても、「双方納得ずくの自由恋愛だ」と開き直られれば、解雇をした場合不当解雇で訴えられることもあります。また、会社が個人のプライバシーを侵害した、と訴えられた場合、会社側が不利になることもあるでしょう。ですから、社内不倫を理由に従業員を解雇したいという場合は、慎重な事前調査が必要です。

2-2.従業員をクビにしてもよいケース

ただし、不倫の状況によっては、従業員を解雇(クビ)が妥当なケースもあります。以下のような場合は、解雇しても問題ありません。

  • 本人が、その立場を利用し、無理やり関係を結ぶように迫った(例:上司が部下に関係を迫った場合)
  • 飲み会などで飲酒を言い訳にセクハラを働き、飲酒を無理やり進めるなどして肉体関係を結んだ
  • ほかの従業員に付きまとい、無理やり関係を結んだ(ストーカーなど)
  • 18歳未満の従業員と肉体関係を結んだ(例:正社員と高校生のアルバイトなど)

これらは、厳密に言うと社内不倫ではなくセクハラ案件なのですが、「ことを大げさにしたくない」と被害者が我慢して付き合っている場合も珍しくないのです。

2-3.減給など何らかの処分ができるケース

クビ以外にも、減給や厳重注意、退職の勧告など社内不倫にペナルティを科すことができる以下のようなケースもあります。

  • 出張、外回りなどの勤務時間の最中に肉体関係を結んでいた
  • 不倫相手が取引先の社員や顧客などで、不倫行為が業務に支障を及ぼした場合
  • 会社内で肉体関係を結んでいた(会社の保養所など、関連施設を含む)
  • 不倫相手を露骨にひいきし、社内の人間関係に重要な悪影響を与えた
  • 不倫をしたことが広く知られ、売り上げ急落など会社に深刻な影響があった

このような場合は、不倫そのものではなく、不倫をした結果、会社に不利益を与えたことが処罰の対象になるのです。

2-4.不倫の調査方法

社内不倫のうわさを聞いた場合、いきなり当事者を問いただしてはいけません。うわさがでたらめだった場合は、名誉棄損になります。また、2-1で説明したように、無理やり関係を結ばされているケースもあるでしょう。ですから、まず「セクハラ案件」として調査を開始します。不倫をしているという人が両方とも従業員だった場合は、別々にセクハラ相談という形で話を聞きましょう。最初から高圧的に取り調べをしてはいけません。また、認めた場合は2人の関係などを慎重に確かめた上、処分をしてください。双方とも合意の上で不倫をしていた場合は、2人とも別々の部署に異動させるなど、平等な対処をしましょう。女性だけ退職を促す、など差をつけてはいけません。

3.社内不倫を防ぐ方法

社内不倫を可能な限り防ぐには、教育が大切です。ひと昔前までは、女性従業員に性的な視線を向ける男性従業員の存在は珍しくありませんでした。また、社内不倫を題材にしたドラマ・映画・小説は数多く、社内不倫に一種のあこがれを抱いている人もいるでしょう。ですから、社内教育で、不倫をした場合のペナルティや、セクハラについてきちんと教えることが大切です。さらに、セクハラ相談窓口などを設置し、気軽に相談ができる環境を作りましょう。特に、年末年始は飲み会も多くなり、お酒を理由にしたセクハラや間違いが多くなる季節です。ですから、お酒の強要や飲み会への出席を義務付けないなどの対処も必要になります。

4.社内不倫と解雇に関するよくある質問

Q.社内不倫は、肉体関係を結ばなければ不倫ではないのでしょうか?
A.法律的にはそうですが、成人した男女が度を超えた親密な付き合いをしていれば、不倫とみなされることもあります。

Q.社内恋愛を禁止した場合、プライバシーの侵害には当たらないのでしょうか?
A.恋愛は自由ですが、従業員同士が付き合った結果、業務に重要な影響が出ると判断できる場合は認められることもあります。

Q.双方合意の上で不倫をしたのですが、解雇を言い渡された場合、争うことはできるでしょうか?
A.はい。可能です。しかし、必ず「双方が合意の上で不倫をした」という客観的な証拠がいります。ただし、18歳未満と肉体関係を結んだ場合は、合意の上でも解雇されて文句は言えません。

Q.不倫ではなく真剣なお付き合いをしているつもりなのですが、ダメですか?
A.既婚者と知りながら肉体関係を持っていた場合、気持ちに関係なく不倫になります。

Q.配偶者が職場に乗り込んで不倫がばれる、というケースはあるのでしょうか?
A.はい。乗り込んでこなくても電話で相談されて不倫発覚ということもあります。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は社内不倫とクビについてを中心に解説しました。現在の価値観では、社内不倫を野放しにしている会社は、周囲からの信頼を失いがちです。プライベートに関することですが、やはりある程度の罰則などをつけて社内不倫に対応しましょう。また、セクハラ相談窓口を設けると、早いうちに対処ができるでしょう。