妻の不倫で離婚する場合の親権は? 父親が親権を獲得するポイントも!

妻の不倫が原因の離婚! 夫が親権を勝ち取る3つの方法

「妻の不倫で離婚する場合でも、母親が親権を獲得することはあるのか?」とお悩みではありませんか? 通常、子供が小さいうちは母親が親権を獲得するケースが多くなっています。しかし、離婚の原因が妻の不倫である場合でも、父親が親権を獲得できないことはあるのでしょうか。

この記事では、妻の不倫で離婚する場合に父親が親権を獲得する方法や、親権を決めるまでの流れなどを詳しくご紹介します。

  1. 妻の不倫で離婚する場合、親権はどうなるのか?
  2. 不倫した妻が親権を獲得できないケース
  3. 父親が親権を獲得するにはどうすればよいのか?
  4. 親権を決める際に必要な手続きと流れ
  5. 妻の不倫で離婚する場合の親権に関するよくある質問

この記事を読むことで、親権を決める際に重視されるポイントや、父親が親権を獲得するためにやるべきことなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.妻の不倫で離婚する場合、親権はどうなるのか?

まずは、妻の不倫が原因で離婚する場合、親権はどうなるのかを解説しましょう。

1-1.不倫と親権は無関係

「不倫した妻が親権を獲得するのはおかしい」と思う人は多いでしょう。しかし、法律上では、不倫と親権は無関係なものと考えられています。なぜなら、不倫や離婚は夫婦としての問題であり、子供の親権をどうするかということとは別問題だからです。たとえ不倫をしていても親であることは間違いないため、どちらが親権者になってもおかしくありません。

1-2.親権を決める際に重視されるポイントは?

では、どちらが親権を獲得するかを決める際に、重視されるポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。原則として夫婦間のトラブルとは別に判断されることになります。たとえば、子供との関係やかかわり方はどうだったか・子供の愛着度はどうか・教育への熱心度はどうかなどが判断基準になるのです。そのほかにも、子供の年齢や自分自身の健康状態・経済力なども重視されます。また、子供が15歳以上の場合は本人の意思が最優先されることになるでしょう。

1-3.母親が親権を獲得するケースが多い

一般的には、母親が親権を獲得するケースが多くなっています。特に、子供がまだ小さい場合は、母親の存在が健全な成長に欠かせないと判断されることが多いのです。そのため、たとえ不倫していたとしても、母親が親権を獲得できる可能性が高いでしょう。ただし、子供が小さくても母親が親権を獲得できないケースもあります。次項で詳しく解説しましょう。

2.不倫した妻が親権を獲得できないケース

不倫した妻が親権を獲得できない可能性があるのは、以下のようなケースです。

2-1.子供とのかかわり方に問題があった

子供を虐待していた・きちんと育児をしていなかったなど、子供とのかかわり方に問題があった場合、母親が親権を獲得できる可能性は低いでしょう。子供をほったらかしにして不倫相手のところへ行っていたり、不倫相手が子供に暴力を振るっていたりする場合も同様です。

2-2.経済状態や健康状態に問題がある

母親の経済状態や健康状態に問題がある場合は、子供に愛着を持っていても親権を獲得するのは難しいでしょう。離婚後、一人で子供を育てていくのは難しいと判断されてしまうためです。子供が健全に暮らすことができる環境作りが最優先されることになるでしょう。

2-3.不倫相手と一緒に暮らしている

離婚が成立する前から妻が不倫相手と一緒に暮らしている場合、親権者として不適格と判断される可能性があります。近年は母親の再婚相手から子供が虐待を受ける例も増えてきているため、裁判所としても警戒心が高くなっているのです。

3.父親が親権を獲得するにはどうすればよいのか?

父親が親権を獲得するためのポイントをご紹介しましょう。

3-1.積極的に家事や育児をする

「家事や育児をしっかりやっている」という実績を作りましょう。父親が親権を獲得しても問題なく暮らしていけることをアピールしなければなりません。子供と過ごす時間を増やすために、仕事を調整する必要もあるでしょう。朝早く家を出て夜遅く帰ってくるようでは、子供と一緒に過ごす時間がほとんどありません。親権者として不十分と判断されてしまう可能性があるでしょう。

3-2.離婚後の生活に向けて準備する

妻と離婚して自分が子供を引き取ることになると生活は大きく変わります。離婚後、どう生活していくかを考えて準備をしておく必要があるでしょう。たとえば、自分が仕事に行っている間は誰が子供の面倒を見るのか・保育園や幼稚園の送り迎えはできるのかなど、問題も多いと思います。実母に手伝ってもらうなど、環境を整えておくとよいでしょう。

3-3.妻の動向に注意する

親権を獲得したい妻が子供を連れて家を出てしまう可能性もあるため、妻の動向に注意しておきましょう。母親との暮らしで子供が幸せに過ごすことができていれば、そのまま母親に親権が認められてしまう可能性が高くなるのです。そうなってしまうと親権を取り戻すのは難しくなります。妻と子供を残して家を離れないようにするなど、注意して過ごすようにしてください。

4.親権を決める際に必要な手続きと流れ

親権を決める際に必要な手続きや、決定までの流れをご紹介します。

4-1.夫婦間で話し合いをする

まずは、どちらが親権を獲得するのか夫婦間で話し合いをしましょう。この話し合いで合意が得られれば問題ありません。しかし、妻の不倫で離婚する場合、夫が激怒していて冷静に話し合いができないケースも多いでしょう。当然、不倫した妻に親権を取られたくないと思う夫がほとんどです。

4-2.合意しなければ調停へ

話し合いで合意が得られなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることになるでしょう。男女1名ずつの調停委員が、双方の言い分を聞きながら話し合いを進めてくれます。場合によっては子供との面談や家庭訪問などが行われることもあり、父親と母親のどちらが親権者としてふさわしいか判断することになるのです。ただし、調停はあくまでも「話し合い」なので強制力はありません。合意できなければ不成立となります。

4-3.調停でも不成立なら裁判で決着を

調停で不成立になった場合は、最終的に裁判で決着をつけることになるでしょう。裁判官は、どちらが親権者になれば子供が幸せに暮らすことができるかを考え、判決を下します。最終決定権は裁判所にあるため、「子供と一緒に暮らしたい」という熱意をしっかり伝えることが大切です。

5.妻の不倫で離婚する場合の親権に関するよくある質問

「妻の不倫で離婚する場合、親権はどうなるのか知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.子供が15歳以下の場合、子供の意思は尊重されないのでしょうか?
A.たとえ15歳以下でも、子供の意思はできる限り尊重すべきと考えられています。

Q.妻の不倫が原因で離婚し、親権は妻が持つことになりました。養育費は支払わなければならないのでしょうか?
A.養育費は子供を育てるためのお金なので不倫の問題とは無関係です。養育費は支払う必要があるでしょう。

Q.離婚するにあたって子供への悪影響を少なくするにはどうすればよいですか?
A.子供は何も悪くないということを丁寧に伝え、今後も子供に対する愛情に変わりはないことを分かってもらうようにしましょう。

Q.親権についての相談は誰にすればよいですか?
A.離婚問題を多く扱っている弁護士に相談することをおすすめします。無料相談を受け付けている弁護士事務所もあるのでチェックしてみるとよいでしょう。

Q.親権獲得を弁護士に依頼するメリットを教えてください。
A.有利に交渉してもらえること・裁判所の考え方を正しく知れること・適切に行動できることなどがメリットです。

まとめ

妻が不倫して離婚する場合の親権について詳しくご紹介しました。離婚原因が妻の不倫であっても、必ず父親が親権を獲得できるわけではありません。男性が親権を獲得するのは難しいといわれていますが、強い気持ちがあるなら弁護士に相談してみるべきです。諦めずに権利を主張しましょう。